2013年8月31日土曜日

再起動

とにかくオートバイが欲しい。ある程度トミンを楽しく走れて、それでいて体にも家族にもフトコロにも優しいオートバイが。
都合の良い考えだけが先走り、中古車情報と妄想とネットの怪しい情報を血眼になってまさぐりだした一週間だった。
やっぱり実車を見ないと始まらない。
そんな思いから近所では最大の在庫車両を誇る某ディーラーに足を運ぶ。

事前のリサーチから気になっていたストリートトリプルを見るためだったが数台のトリプルを見ているうちに近くにあったアプリリアが目にとまる。

独特のサイレンサー形状のシヴァー750と06のトゥォーノ1000Rだった。

古いけどきれいに磨かれているトゥオーノはあまり走行距離も出ていないしいじるところはどこもないような手の入った車両。
対してシヴァーはノーマル然としていたが年式が比較的新しく格好も琴線にふれてしびれる。

早速塾長にメールするがやはりトゥオーノの返事は色よくなく、そのかわりシヴァーのポテンシャルの高さを教えていただいた。
最近の塾常連のY村さんがシヴァー乗りであること、そしてその機体がとても感触のいいこと。

そうなると必然的にストリートトリプルとシヴァー750の情報収集に躍起になる。
正直どちらも一長一短というか、魅力もあるしリスクもあるということで多いに悩んだ。
そして我が家から比較的近い範囲で値段も手頃なストリートトリプルとシヴァー750を見つけることとなる。

ただし、シヴァーはツーリングを意識したハーフカウルのついたGTだった。

しつこいくらいにネットを見たり店舗に電話したりして最終的にはより自宅に近い店
あったストリートトリプルを選ぶこととなる。

と、ここまでは自分の中での話。未だ岡妻には買うと一言も告げていない。
しかし塾長とはメールのやり取りでかなり詰めたところまでしている。
最後は電話で話して車両の状態を教えてと塾長が返してきた。
バイク屋を後にして塾長に電話すると今は忙しいからすぐかけ直すとのこと。
帰宅するまでに30分ほどかかるのでその間に塾長と相談して買うと決めたら次の日から徐々に岡妻に切り出そうと思っていた。
が、帰路のあいだ塾長からの折り返しはなかった。

帰宅すると子供たちはすでに就寝していて岡妻が夕食の準備をしてくれた。
珍しく岡妻は子供と食事をとらずに待っていてくれたようで二人で遅めの夕食をとっていた。

こんなときに限って、、、

と思った瞬間に塾長から電話がかかってきた。

『いくらだって?』

いや、ちょ、今まずいんですけどナンシーいきなりですか?などと口答えする間もなく続く。

『ん?いくらだよ?』

そこまでズバッときたら迷彩くることもできず、車両が○○万円で車検二年つけて○万増しです、と答えたら笑いながらそれだろ!と。
あまりにも内容がわかりすぎて隣の空気がどんどん凍てついていった。

電話を切ったと同時に開き直ってそういう訳なんですと岡妻にいってみたものの返ってきた返事は間髪入れずの

無理だね

であった。

もうこのときばかりは今しかねぇ!といつかの通るさんとのバトルのようにありったけの気持ちをぶつけて今までとは違ったスタンスで、タイヤも馬鹿みたいに使わない範囲で、などとまるでイカさまの言い訳のようなもっともらしいかどうかもわからない説得でひたすら頭を下げてそれでも渋々了解を得ることができたのだった。

その壁が崩れればこっちのもの。

そう思っていた僕はまた新たな、それでいて大きな壁を目の当たりにするのであった。

つづく


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